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感染症検査

感染症とは、病気の原因となる微生物が体内に侵入し、それが繁殖する事で生じる病気を言います。この感染症というのは、すべての臓器で起こり得るもので、臓器の形を見極める画像診断や臓器が機能しているかを調べる生理検査など、感染症を診断する上で欠かす事の出来ない検査になります。一般的に感染症の検査は、病気の原因となる病原微生物を見つけだしたり、存在を確認する為に行われます。ウイルスの存在を確認する抗体検査や細菌を特定する培養検査などが代表的な例でしょう。調べる検体は、血液をはじめ感染を受けた臓器の分泌液や尿・便・痰・髄液・胃液・膿などといった体液が対象となります。病原微生物に感染しても、すぐに病気になるのかと言われるとそうでない場合もあります。このような、病気にはならない状態で体内に病原微生物が住み着いているという状態の人をキャリア(保菌者)と言います。将来発病するリスクを潜在的に抱えているのです。それに加えて、周囲の人を感染させてしまうという危険性も持ち合わせています。

交差適合試験

本検査は、輸血を行う際に伴う副作用を防ぐべく行う検査です。クロスマッチ(テスト)とも呼ばれます。受血者(患者さん)の血液と供血者(ドナー)の血液を混合して、血球の凝集反応の有無を見るというものです。ABO式血液型の不適合や、その他の血液型に対する抗体を検出できる方法を用いる必要があります。交差適合試験には、受血者の血清中に供血者血球に対する抗体があるかどうかを調べる主試験と、供血者血漿中に受血者血球に対する抗体があるかどうかを調べる副試験があります。試験の結果、陰性(反応なし)であれば輸血が可能となります。一方で、陽性すなわち凝集または溶血反応が確認されれば抗体が存在する事を意味します。この場合、供血者血液が受血者の体内に入る事におり免疫反応が起こる為、原則として輸血はできません。主試験と副試験の結果が合致しなかった時は、他の血液を使用する事が望まれます。ただし、緊急時には主試験の判定を優先する事になっています。

認知症

一度身に着けた知的能力が徐々に失われ、自立した社会生活が営めなくなった状態が続くようになると「認知症」と診断されます。脳梗塞などの原因が無いのに、脳の神経細胞が徐々に減っていく病気が存在し、最も多いのがアルツハイマー病になります。注意すべきは、慢性硬膜下血腫・正常圧水頭症・甲状腺機能低下症・ビタミン欠乏症などと見分ける事でしょう。アルツハイマー病の初期段階の症状として、まず物忘れが現れる事で有名です。近々の記憶から忘れやすくなっていきます。この物忘れの症状は、時々「容器」で例えられます。記憶した物事を内容物と捉え、それが容器の中に入っています。当然、古い記憶は容器の底に、新しい記憶ほど容器の口に近くなります。この記憶した物事を取り囲む容器が、上側から崩れていく為に、昔の事は覚えているけど最近の出来事を忘れたり、或いは覚えづらくなったりという事が起こります。

睡眠時無呼吸症候群の仕組み

肺や胸郭・呼吸筋・末梢神経に異常はないのに呼吸指令が出ていない為、無呼吸が生じます。メカニズムは様々ですが、心臓の機能が低下した方の場合には、30~40%の割合で中枢型の無呼吸がみられるという報告もなされています。診断においては、簡易検査であるアプノモニターという装置を装着して寝ている時の状態を測定する事から始まります。睡眠中の鼻と口の呼吸の流れ、いびきや気道を通る空気の音、酸素濃度等を記録していきます。こうして、睡眠時に無呼吸あるいは低酸素に陥っていないかを判定します。近年では小型化も進み、自宅で行えるようになってきました。この検査によって睡眠時無呼吸症候群が疑わしい場合、精密検査が必要となってきます。精密検査はポリソムノグラフィー(PSG)若しくは終夜睡眠ポリグラフと呼ばれ、入院が必要となります。いびきはひどく、途中で呼吸が止まっている人は専門医に相談しましょう。

ペプシノゲン

ペプシノゲンというのは、胃液に含まれる消化酵素の事です。ペプシンを作る物質になります。胃底腺主細胞と副細胞から分泌されるⅠ型と胃底腺の他、幽門腺・噴門腺・十二指腸から分泌されるⅡ型があります。産生されたペプシノゲンのごく一部が血中に入り、腎臓から排泄されます。

つまり、腎機能が悪化した場合に高値になるという事です。この検査は、胃粘膜の萎縮性病変の評価に役立てられます。萎縮性胃炎は、ペプシノゲンⅠの低下が顕著という特徴があります。このようにⅠ/Ⅱ比の低下は萎縮の進行度の指標となります。

前述した萎縮性胃炎という疾患は、胃がん発生の素地となり得ます。その為、ペプシノゲン検査は胃がん検診に用いられています。また、内視鏡検査も併用する事で胃がんの診断に勤めます。内視鏡の適否については医師の指示に従います。

甲状腺機能の低下と検査

アイソザイムでCK組成を詳しく分析すると分子構造の異なる酵素群を検査する事が出来、異常の起きている部位の説く知恵が可能です。骨格筋型(CKーMM)・脳型(CKーBB)・心筋型(CKーMB )に分けられ、病気の特定に役立てられます。心筋梗塞におけるCKーMBの測定はその代表的な例だと言えます。

逆に、甲状腺機能亢進症と言った異常な低値になる病気も有ります。コレステロールを下げる薬としてスタチンというグループの治療薬があるのですが、まれに横紋筋融解症という副作用を起こす事が分かっています。これを早期の段階で予知する為にも本検査が用いられます。

前述した通り、本検査は心筋梗塞や筋肉の病気の際に上昇し、その数値は重症度と関連します。また病気がなくても、本検査に影響を与える因子というのは存在します。筋肉注射・けいれん発作、比較的身近な例で言うと、激しい運動があげられます。大切なのは、該当事項がある際に医師にその旨を伝える事でしょう。

脂質異常症とは

脂質異常症は、冠動脈疾患や脳梗塞等の動脈硬化性疾患の発症・進展を促進します。高血圧・糖尿病・メタボリックシンドローム・喫煙・動脈硬化性疾患の家族歴等がある場合は更にリスクが高まります。治療に関しては、まず原発性と続発性の鑑別をする必要があります。続発性の場合には、その偏印となる疾患の治療を行います。更に、冠動脈疾患のリスクを評価して、管理目標値を決めて治療を進めていきます。基本的には食事療法・運動療法になります。適切な食事療法によって血中脂質はある程度改善が見込めます。脂肪分の制限だけでなく、摂取する総エネルギー量やアルコールの制限も必要になります。程度な運動はエネルギー代謝を活発にさせるので有効で、毎日無理なく続ける事が大切です。一次予防として、まずは脂質異常症以外の危険因子の改善とともに生活習慣の是正や肥満の解消が必要となります。二次予防では、より厳格な管理が必要となってきます。管理目標が達成できない場合に薬物療法を開始する事になります。

皮膚反応テストの意図

基本的には皮膚反応テストは、アレルギー性の病気でその原因となる物質を同定する為に行う検査となります。花粉症を例にあげると解りやすいかもしれません。原因となるアレルゲン、この例では花粉ですね。これを確定する場合、皮内テストやスクラッチテストで、スギやヒノキなどをいくつかの候補物質をチェックしていくという流れになります。また、パッチテストは接触アレルギーの検査として皮膚科領域を中心に広く行われています。接触性皮膚炎の原因を探るのに有用とされています。近年では、アレルギー性疾患の増加がしばしば問題視されています。それに伴い本検査も注目されています。基本的にはアレルギー性疾患では、抗原との接触を避けるのが効果的で、その為に何がアレルゲンなのかを調べる必要があります。逆に減感作療法と言って、同定されたアレルゲンを注射して、身体を徐々に慣らすような治療も有ります。また、新しい抗アレルギー薬も導入しており、治療の選択に関しては担当医から説明を受け、納得して受ける必要もあります。

心臓弁膜症

リウマチ熱だけでなく、炎症・動脈硬化・加齢・先天性等の要因によって僧帽弁・大動脈弁・三尖弁・肺動脈弁が狭窄や閉鎖不全になっている病気を心臓弁膜症と言います。症状としては、僧帽弁・大動脈弁の病気の場合には呼吸困難・咳・血痰・動悸・易疲労感が多く、僧帽弁・大動脈弁の狭窄では胸痛もあります。三尖弁の病気では、手足の浮腫・肝腫大による右季肋部及び心窩部の重圧感・胸水・腹水等があげられます。リウマチ熱後の弁膜症は、数年から数十年を経て手術が必要となる事が多くありますが、予後は良好です。僧帽弁狭窄症は、心房細動という不整脈を合併しやすく、また左心房に血栓が形成される事が多く、約20%が血栓塞栓症になると言われてます。動脈硬化からくる大動脈弁狭窄症は進行性で、狭心症や心筋梗塞を伴う事が多いという特徴があります。聴診と心エコーで本疾患は診断がつきます。心室拡大の無い弁閉鎖不全症は手術しなく手も大丈夫ですが、弁狭窄症は症状が出たら外科手術が必要です。僧帽弁狭窄症は抗凝固療法が必要となります。

細胞診

細胞診を細分化すると、剥離細胞診と穿刺吸引細胞診と術中細胞診の3つに分けられる。
1つ目の剥離細胞診は、苦痛などをほとんど伴わないスクリーニング検査であり、具体例として肺がん検診の際の喀痰・尿細胞診・口腔細胞診・子宮がん検診時の子宮頸部スメアなどが挙げられる。人間ドック健診においても細胞診の主体ともいえる検査だ。一方で穿刺吸引細胞診では、唾液腺や甲状腺・乳腺などの表在性臓器の腫瘤病変に対して用いられ、病変部の良悪性を判定する目的として使用される。21~25ゲージの細い針を用いて採取し、通常だと穿刺吸引細胞診では局部麻酔は使用せずに採取を行う。
そして最後に術中細胞診は、術中に採取された腫瘤そのものを、術中に胸水や腹水・心嚢液で直接もしくは生理食塩水で洗浄したのち遠心して得られた細胞より良悪性を判定するというものである。