脂質異常症は、冠動脈疾患や脳梗塞等の動脈硬化性疾患の発症・進展を促進します。高血圧・糖尿病・メタボリックシンドローム・喫煙・動脈硬化性疾患の家族歴等がある場合は更にリスクが高まります。治療に関しては、まず原発性と続発性の鑑別をする必要があります。続発性の場合には、その偏印となる疾患の治療を行います。更に、冠動脈疾患のリスクを評価して、管理目標値を決めて治療を進めていきます。基本的には食事療法・運動療法になります。適切な食事療法によって血中脂質はある程度改善が見込めます。脂肪分の制限だけでなく、摂取する総エネルギー量やアルコールの制限も必要になります。程度な運動はエネルギー代謝を活発にさせるので有効で、毎日無理なく続ける事が大切です。一次予防として、まずは脂質異常症以外の危険因子の改善とともに生活習慣の是正や肥満の解消が必要となります。二次予防では、より厳格な管理が必要となってきます。管理目標が達成できない場合に薬物療法を開始する事になります。