リウマチ熱だけでなく、炎症・動脈硬化・加齢・先天性等の要因によって僧帽弁・大動脈弁・三尖弁・肺動脈弁が狭窄や閉鎖不全になっている病気を心臓弁膜症と言います。症状としては、僧帽弁・大動脈弁の病気の場合には呼吸困難・咳・血痰・動悸・易疲労感が多く、僧帽弁・大動脈弁の狭窄では胸痛もあります。三尖弁の病気では、手足の浮腫・肝腫大による右季肋部及び心窩部の重圧感・胸水・腹水等があげられます。リウマチ熱後の弁膜症は、数年から数十年を経て手術が必要となる事が多くありますが、予後は良好です。僧帽弁狭窄症は、心房細動という不整脈を合併しやすく、また左心房に血栓が形成される事が多く、約20%が血栓塞栓症になると言われてます。動脈硬化からくる大動脈弁狭窄症は進行性で、狭心症や心筋梗塞を伴う事が多いという特徴があります。聴診と心エコーで本疾患は診断がつきます。心室拡大の無い弁閉鎖不全症は手術しなく手も大丈夫ですが、弁狭窄症は症状が出たら外科手術が必要です。僧帽弁狭窄症は抗凝固療法が必要となります。