肝臓でつくられる胆汁は、肝臓の中にある細い胆管から、これが集まってできる総胆管に流れていき最終的に十二指腸の乳頭部に到達します。総胆管の横に風船状に出っ張っているのが胆のうです。先ほどの胆汁はここに溜められて、食事などの時に胆のうが縮み、一気に十二指腸へと流れる仕組みになっています。この際の胆汁の通り道が胆道になります。一方で、膵臓でつくり出される膵液は、細い膵管からこれが集まる主膵管へと流れ、総胆管に合流して十二指腸乳頭部に到達します。これら胆汁や膵液が流れている道に腫瘍が病変が出来るという事があります。胆石や腫瘍など、病変も様々ありますが、これらの病変部を詳しく検査するのが、本検査です。胆のう・胆道・膵管造影検査と言います。本検査は、腹部X線撮影では映らない為、X線撮影時に識別できる造影剤を用います。現在広く行われている検査としては、直接造影剤を注入する方法としての内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)と、特に胆道に対しての経皮経肝胆道造影(PTC)です。また、カテーテルを胆道や膵管に挿入して、出来ている石を取り除くという事も可能です。悪性腫瘍が疑われている場合には、その組織の一部や胆汁・膵液を採取してより詳しく検査する事も出来ます。一般的に本検査は、胃内視鏡検査に比べて検査時間が相対的に長く、十二指腸壁の薄い部分を傷つける可能性があります。また、造影剤を用いた事で検査後に膵炎を起こすという可能性もあり、これらの注意点は留意しておく必要があると言えるでしょう。