尿には健康な人にも多少なりとたんぱく質は含まれています。その中にアルブミンも含まれています。尿中のアルブミンは血漿に由来する代表的なたんぱく質です。腎臓や尿路系に異常があると、排せつ量は増加するのです。尿たんぱく同様、尿アルブミンも腎臓とくに糸球体の障害を起こす疾患の目安として検査されます。糸球体腎炎のよう腎臓そのものの疾患が尿たんぱくや尿アルブミンの検査で見つかる事もあります。糖尿病・全身性ループスエリテマトーデス(SLE)などのような全身疾患がある場合には二次的に腎障害が起こり、病状によって尿アルブミン量が変化します。糖尿病の場合には、試験紙法による尿たんぱく検査よりも尿アルブミン量の測定はより敏感で腎症の早期から腎障害を捉える事が出来ます。微量アルブミン尿で見つかる初期の糖尿病性腎炎は、通常の試験紙法で見つかる腎症よりも前段階の状態です。腎臓の糸球体病変は可逆的で、糖尿病野厳密なコントロールによって腎症の進行を抑えられると考えられています。尿アルブミン量が増加している時、腎・尿路系疾患・糖尿病などの全身疾患を疑います。また、生理的たんぱく尿をきたす状態も検討します。腎機能や腎障害の程度をeGFRなどの検査によって評価し、病態に応じた治療を行います。糖尿病の場合、合併症の早期から介入が重要で、特に腎症が早期の段階ならば血糖値の厳密なコントロールによて腎症の改善が見込まれます。