乳房に出来た悪性腫瘍を乳がんと言います。乳房にしこりを触れたり、乳汁分泌や痛みがあるからと言ってすぐに乳がんを心配する必要はありません。乳房には様々な病気が出来ます。加齢に伴う変化で卵巣ホルモンの影響を受けて起こる乳腺炎には、腺症や乳管の上皮過形成・乳管乳頭腫症・繊維腺腫様過形成等があります。乳がんとの区別が難しい事も少なくありません。ですが、乳腺症自体は特に治療は必要ありません。繊維腺種・葉状腫瘍・乳管乳頭腫などの多くは良性腫瘍です。非浸潤性乳管がん・浸潤性乳管がん・小葉がん・肉腫等が悪性腫瘍に含まれます。乳腺症や良性腫瘍の場合だと経過観察で大丈夫という場合も多く、悪性腫瘍の場合だと腋窩やリンパ節や肝臓・肺や骨への転移も考えられる為、手術や抗がん薬治療が必要です。前述したような乳房にしこりを触れる・血の混じった乳汁が出る・乳頭の変形や乳房にくぼみが出来る等の症状がみられた場合には乳腺専門医を受診しましょう。症状が無い人でも35歳を過ぎたら定期的に検診を受けるようにしましょう。治療としては、全身への転移の可能性が低い状態・あまり進行していない乳がんの場合には手術を先に行う事になるかと思います。逆に、全身への転移の可能性が高い・進行している場合には、先に抗がん薬投与を行ったのちに手術をします。そして、手術の後で女性ホルモンんを抑える薬やがん遺伝子を抑える薬を用いるという場合もあります。